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鍋パーティーのブログ

再分配の重視を求める「鍋パーティー」の共用ブログです。

保育園・幼稚園は現代の「奴隷施設」だ! ~保育施設の充実は所得再分配の論理から完全に逸脱している~

今回は、あえて炎上しやすいタイトルをつけてみた。というのも、先日の増田の何げないエントリーから始まって、ネット上で拡散されて、新聞・テレビで取り上げられて、果ては安倍晋三までもが予算委員会で発言するなど、保育園不足の深刻さが世間の注目を集めているからである。だが私は、安倍に注目されてうつつを抜かしているリベラル勢力の浮かれっぷりを見ていて、心底情けなくなってしまった。あれだけ安倍に敵意をむき出しにしていたリベラルはいったいどこに行ってしまったんだと思ったほどである。というわけで、このエントリーでは、私が保育園・幼稚園増設論を見ていて感じたいくつかの疑問について書き綴ってみたい。なお、これから先は既存のリベラル勢力にとって都合のいいことが何ひとつ書かれていないので、気分を害した方はいつでもページを閉じてもらって結構である。

 

●「育児休暇待望論」はどうなった?

今年2月、男性の育児休暇を推進している自民党・宮崎謙介議員の不倫が発覚し、議員辞職に追い込まれた。私はアンチ自民党だが、閉塞しきった日本社会に風穴を開けようとしていた彼の姿勢だけは高く評価していた。それだけに彼の不貞行為には怒りをおぼえるが、だからといって、これを理由に男性の育児休暇を廃止しようとする動きだけは何としても阻止しなければならないと思っている。私は宮崎議員が党の垣根を超えて男性でも育児休暇を取れる環境を整備してくれることによって、ガラパゴスと化した日本の労働環境にもようやく明るい光が差し込むと期待を抱いた。

 

2月15日、状況は一変した。

anond.hatelabo.jp

保育園に入れなかった親御さんの恨み節が大きな反響を呼んだのだ。それだけではない。「児童手当20万円にしろ」「不倫したり賄賂受け取ったりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作れるだろ」と、まさに怒り狂っているのだ。

 

私は強い違和感をおぼえた。というのも、このエントリーでは既婚者側の一方的な主張だけが書き殴られていて、子供たちの面倒を見る側の保育士に対する配慮が何ひとつ書かれていないからだ。前々から言われていることだが、日本の保育士の給料はあまりにも安すぎるのが現状である。以下、保育士の給料や労働時間などを調査したサイトを紹介するが、平均月収21万円、年収にして310万円しかもらえていない。しかも、所得税社会保険などを引かれたら、完全に年収300万円以下のワーキングプアだ。「だったら、保育士の給料を上げればいいじゃないか」と反論する輩がいるが、そもそも保育士に多額の給料を支払っても、それを消費するだけのプライベートな時間がなかったら全く意味がないではないか。このサイトには平均的な保育士の労働環境が示されているが、昨今の悲惨な保育園事情を鑑みるに、実際の現場ではかなりのブラック労働が蔓延していると予測できる。

 

断言しよう。保育士はれっきとした「奴隷」だ。そして、その「使用人」は、難関大学を経て一流企業に就職し、人生の勝ち組という名のレッドカーペットを我が物顔で闊歩している「エリート正社員」層なのだ。

hatopi.com

 

●都合の悪いときだけ「弱者」を装う人たち

なぜ、エリート正社員は「保育園の数が足りない」と叫ぶのか。それは、自分たちが日本の労働社会における「恩恵」を一番享受しているからであろう。面倒な汚れ仕事は下っ端の非正規労働者に丸投げし、面倒な育児は負け組の若者に押し付けてやれ。だが、自分たちの地位を脅かそうとする管理職やカイゼン至上主義者に対しては徹底的に「弱者ヅラ」する――。これが日本の会社をガラパゴスにした元凶なのだ。「保育園が足りない」って叫ぶくらいなら、管理職に対して「育児休暇を認めろ」って要求したほうが手っ取り早いんじゃないですか? 「恩恵」を十分に受けている正社員なら、それぐらいの「労働者の権利」はいとも簡単に行使できますよね?

 

これはあくまでも私の邪推だが、安倍は「保育園の増設」にある程度の関心を寄せていると思う。ただし、来るべき参院選に向けての「カード」としての意味でだ。参院選に何が何でも勝ちたい安倍は、保育園の増設・充実や同一労働同一賃金(私はこの政策にも懐疑的な見方をしているが)といった「リベラルっぽい政策」を打ち出すパフォーマンスを披露することで、リベラルの切り崩しを目論んでいるのではないか。そして、リベラルからの「消極的支持」を勝ち得た安倍は、正々堂々と「社会保障の削減」を宣言する。年間の自殺者数が再び3万人を超えるのも時間の問題であろう。

 

閑話休題。私は「育児は家でやれ」と主張している。しかし、それはあくまでも育児休暇などの社会保障が充実しているという意味においてである。なので、以下のような「家族主義」や「独立自尊」というネトウヨ思想を前面に打ち出した、自称ジャーナリストの戯言には一切同意するつもりはないことを付け加えておく。

agora-web.jp

 

●必要なのは所得再分配なのだ、ばか者

最後に、「正規vs非正規という対立をあおるな」という批判にも一喝しておこう。その対立に今まで見て見ぬ振りを決め込んできたのはどこのどなたでしたっけ? あなた方は今ごろになって職場における非正規社員の救済を訴えているが、本来ならば非正規から石を投げられてもおかしくない立場の人間であることを自覚すべきであろう。あなた方が座っているその椅子は、数多くの非正規社員が流した莫大な血と涙の上に成り立っているのだ。

 

結局、ネトウヨからサヨクまで「働かざる者食うべからず」という社畜根性が染みついてしまった中世ジャップランド日本からは、もはや亡命するしかないのだろうか? この国の「自称弱者」たちがくだらないパフォーマンスを繰り広げている限り、「本当の弱者」が救われることはないのだ。